本日は、2月24日発売予定「籠女ノ唄」第二話 君影(声:桐生麻都)の
トラック1冒頭部分の台本公開です。
いよいよ発売が近づいてきた君影編の冒頭は
主人公のいる小夜月屋へ君影が髪を結いに来たところから始まります!
【トラック1:心走り】
■小夜月屋:主人公の部屋(朝) ★廊下は板張り、室内は畳
※昼見世が始まる前、いつものように小夜月屋を訪れた君影が主人公の部屋に髪を結いに来る。
君影 「おはよう」
君影 「今日はだいぶ冷え込んだね。何日か前に初霜がおりたばか
りなのに、もう外は雪でも降りそうな寒さだよ」
君影 「(手にハアッと息を吹きかけてくすっと笑う)こんな日は、
火鉢の傍が恋しいや」
君影 「さあ、髪を結おうか。そこに座って」
※浮かない顔の主人公
君影 「……うん、どうしたの? 浮かない顔をしてるね。何かあ
った?」
※「最近馴染みになった客の酒乱がひどくて大変なの」
君影 「最近馴染みになった客? ……ああ、日本橋にある呉服屋
の若旦那だっけ。噂は聞いてるよ。羽振りは良いけど、ず
いぶんとわがまま放題だとか」
君影 「……そう、三日と空けずに通い詰めてるなんて、君にご執
心なんだね。でも、そんなに酒癖が悪いなら確かに大変そ
うだな……」
※「でも一応上客だから適当にあしらうわけにもいかなくて」
君影 「……そうだよね。そんな客でも見世にとっては一応、上客。
花魁の君が適当なあしらいをするわけにもいかないって
わけだ……」
君影 「(軽くため息をついて)なるほど、それじゃ毎回心労が絶え
ないでしょ」
君影 「(ふと思い出して)ああ、そうだ。ちょっと待ってね」
つづく…