江戸、吉原。極彩色を散りばめた囲いの中、金に等しき紅を引き、艶姿で男を誘うは美しき遊女たち。 格子に囚われたその姿は、誰が言ったか籠の鳥。 一夜限りの相手に身を任せ、抱かれ散らされ、眠りゆく。 終わらぬ夜に夢見るは、格子の向こうの届かぬ自由。 遊女の目覚めは、宵の始まり。 今宵も届かぬ想いに身を焦がし、籠女は唄を口ずさむ。 これは廓の内で紡がれる、色と悲哀の物語。